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OKRとは? KPI・MBOとの違い、メリット・デメリットを詳しく解説!
OKRはGoogleやメルカリなどが導入している目標管理方法です。この記事ではOKRの考え方やKPI・MBOとの違い、メリット・デメリットを詳しく解説します。また、OKRの導入に際して失敗を回避するための注意点も紹介します。
OKRとは?
OKRは「Objectives and Key Results」を略した言葉で、日本語では「目標と主要な結果」という意味になります。チームのモチベーションを高めるようなチャレンジングな目標を設定し、その進捗を図るために具体的な数値を設定する目標管理方法です。
OKRはGoogleやFacebook、メルカリ、インテルといった大企業で導入されており、実際に成果を上げています。OKRの特徴は、個人と企業の目標をリンクさせて「会社のOKR、チームのOKR、個人のOKR」を設定し、目標設定・進捗確認・評価という一連の流れを高い頻度で行うことです。
そうすることで、すべての社員が取り組むべきタスクや優先順位が明確になるため、今まで以上にスピーディーな目標達成ができます。それではOKRの「Objectives(目標)」と「Key Results(主要な結果)」の詳しい意味や特徴を見ていきましょう。
Objectives(目標)
OKRの「O」部分に当たるのが、Objectives(目標)です。1ヶ月~四半期(3ヶ月)のスパンで達成できる、シンプルでわかりやすい定性的な目標を設定します。ここでは、より大きくチャレンジしがいのある高いObjectivesを設定しましょう。
社員は企業全体のObjectivesをふまえて、個人のObjectivesを設定します。そうすることで、企業と社員の目標をリンクできるようになります。その結果、社員自らの挑戦を促し、企業全体の業務効率や生産性アップを期待できるでしょう。
Key Results(主要な結果)
OKRの「KR」部分に当たるのが、Key Results(主要な結果)です。Objectivesで設定した目標の進捗を測る指標として、1つのObjectivesに約2~5個のKey Resultsを設定します。このとき、Objectivesとは異なりKey Resultsには数値で測れる定量的な指標を使います。 また、Key Resultsには「困難だが不可能ではない」レベルの、ストレッチゴールを設定するのが特徴です。OKRの場合、目標は60~70%の達成度で成功とみなします。
OKRとKPI・MBOとの違いは?
OKRと混同されやすいビジネス用語がKPIとMBOです。OKRと同じく目標管理方法のひとつですが、それぞれ目標の設定や評価方法が違います。まずは、それぞれの呼称を確認していきましょう。
OKR:Objectives and Key Results(目標と主要な結果)
KPI:Key Performance Indicator(重要業績評価指標)
MBO:Management By Objectives(目標による管理)
続いて、OKRとKPI、MBOの違いを見ていきましょう。
OKRは60~70%の達成度となるようなチャレンジングな目標設定を行い、組織一丸となって目標の達成を目指します。評価サイクルは1ヶ月~四半期です。ただし、OKRの評価は、個人の成績評価に活用しません。
KPIは、最終目標であるKGI(重要目標達成指標)達成までのプロセスを数値化した中間指標です。目標達成度は100%を目指し、プロジェクトやチームによってそれぞれのKPIの測定基準は異なります。評価サイクルは毎月あるいは毎週・毎日の短いスパンです。また、KPIは現実的な数値が設定されるため、個人の成績評価にも活用されます。
MBOは目標管理というよりも「個人の評価」としての意味合いが強い制度です。OKRが組織全体の生産性向上を目的としているのに対して、MBOは上司が部下の人事評価に使うことを目的としています。目標達成度は100%を目指し、評価サイクルは1年ごとで、報酬を決定する際に活用するケースが多いです。
組織にOKRを導入する3つのメリット
OKRを組織に導入するとどんなメリットがあるのか、3つのポイントに分けて紹介します。
メリット1:社員が企業の目標を共有できる
OKRは、60~70%の達成度で成功とみなすようなチャレンジングな目標を設定します。さらに、会社とチームや個人のOKRをリンクさせて、組織全体で高い目標を目指します。このとき、定期的な振り返りの場で「少しずつ目標に近づいている」「プロジェクトの進捗状況はどうなっているか」といった点を全体で把握しやすくなるのがポイントです。企業の規模が大きいほどチームや個人の意思がすれ違う可能性が高いため、OKRの導入で大きなメリットが期待できます。
メリット2:チームワークが向上する
OKRは会社のビジョンにそったチャレンジングな目標を設定するため、振り返りの度に会社のビジョンを社員が共有することになり、会社とのエンゲージメントが高められるでしょう。個人のOKRがチームや会社のOKRとリンクしているため、ときに部署や役職を超えたコミュニケーションが生まれるでしょう。また、困難な目標に向かって全員が一丸となって行動し、目標達成のためにお互いを助け合うことでチームワークの向上も期待できます。
メリット3:タスクの優先順位が明らかになる
企業では、各社員がさまざまな業務を担当していることも多く、優先順位やタスク管理が曖昧になりがちです。OKRでは「最終目標はどこか」を常に意識できるため、目標達成に向けてタスクの優先順位を考えるようになり、やるべき事を組み立てやすくなるでしょう。
OKR導入で考えられる3つのデメリット
OKRを導入しても、必ずしもすべての企業がメリットを得られるとは限りません。OKRのデメリットをチェックしておきましょう。
デメリット1:OKRがマッチしない企業もある
OKRは、社員1人にいくつもの業務を任せている企業や、忙しくてOKRの設定や振り返りの時間を確保できない企業は、OKRを導入しても効果を得られないかもしれません。大手企業が導入しているという理由でOKRを取り入れるのではなく、自社にマッチした方法なのか、自社の問題解決につながるのかという視点から、OKRの導入を検討しましょう。
デメリット2:社内の定着に手間と時間がかかる
OKRはチャレンジングな目標を設定し、60〜70%の達成率で成功と見なす管理手法です。そのため、従来の100%の目標達成を目指す管理制度からOKRに切り替えた場合、すぐに社員全体に定着できるとは限りません。OKR導入後、すぐ結果に結びつかないことに悩まされないためにも、社内に定着するまでは、丁寧な説明や運用方法の調整といった手間と時間が必要になることを覚えておきましょう。
デメリット3:社員のモチベーションが下がることも
OKRは、チャレンジングな高い目標を設定するため、従来のKPIやMBOなど「100%の目標達成率を目指す」手法に慣れている社員にとって「目標に到達できそうもない」とストレスを感じ、モチベーションが下がる可能性があります。OKRを導入する際は「目標は60~70%の達成度で成功とみなす」ことや「全員で高い目標達成に取り組む姿勢に価値がある」ことを伝えて、モチベーションの低下を防ぎましょう。
OKRの失敗を回避するための注意点とは
OKRの導入において、失敗を回避するために次の3つの注意点に気をつけましょう。
注意点1:達成率100%を目指さない
OKRは、達成率100%を目指す目標を立てるのではなく、60~70%の達成度となるようなチャレンジングな目標を設定します。もしも、達成度が60~70%より高くなった場合は、設定した目標のレベルが低すぎる可能性があります。逆に達成度が60~70%より低い場合は、組織で十分な取り組みをしていない可能性が高いかもしれません。OKRを導入した後は、達成度や組織全体の取り組み方を確認しましょう。
注意点2:社員の評価や報酬に結び付けないことを徹底する
OKRは、社員の評価や報酬の決定に活用するツールではありません。OKRはチームや個人がどんな業務に力を入れていたか、組織が設定した目標の達成へどのように貢献したのかを明確にするために導入するものです。OKRはチャレンジングな目標を掲げるため、目標達成度を社員の評価や報酬に活用しないルールを徹底しておかないと、社員のモチベーションが下がってしまうので気をつけましょう。
注意点3:評価や検証結果を公開する
OKRの導入後は、定期的に社内全体で評価や検証結果を共有するとともに、新しいOKRを設定しましょう。また、期の途中で各自のOKRを検証し、チームや個人の現時点での立ち位置を把握することで、社員一人ひとりのモチベーション向上にもつながります。
OKRシートのサンプル
実際にGoogleが公開しているサンプルを例に、OKRシートの作り方を確認していきましょう。OKRの導入フローは、次の流れで行います。
1. 企業のOKR設定をする
2. チームや個人のOKR設定をする
3. OKRを社員全員に共有
4. OKRの検証
このサンプルでは、OKRの評価を0~1の数値で評価します。OKRシートの評価基準は以下のように設定すると良いでしょう。
・進展なし…0
・目標達成…0.6~0.7(このレベルで成功とみなします)
・目標完全達成…1
OKRでは、1つのObjectives(目標)に対して3~5個のKey Results(主要な結果)を設定します。例えば、Key Resultsの1つを「6つの機能をリリースする」と設定した場合、3つしかリリースできなければ成果指標は0.5となります。各OKRの成果指標の平均点は、0.6~0.7であれば理想的です。組織のOKR評価は、年度ごとと四半期ごとに評価して社内に共有していきます。全社会議を行い、OKRの評価を公開して細かい軌道修正などを行いましょう。
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