訪問者のコンバージョン率を上げるべく施策に取り組むことをコンバージョン率最適化、またはCRO(Conversion Rate Optimization)といいます。この資料では、コンバージョン率を上げていくために必要な前提知識や考え方を解説します。
コンバージョンを上げる4つの方法とは?Webサイト全体の成果を向上する考え方
「コンバージョンを上げる」ことは、マーケティング担当者にとって永遠の課題です。CVR改善や広告などさまざまな手法がありますが、ここではコンバージョンを上げるための考え方を整理してお伝えします。
コンバージョン改善の基本知識をご存知ですか?すぐに役立つコンバージョンとする指標の定め方や改善施策の考え方をまとめた資料をご用意しました。
Webサイトの成果を上げるという視点で考える
コンバージョンとはECサイトであれば商品の購入、申し込み型サイトであれば申し込み完了など、Webサイトの目的となるユーザー行動のことです。英語のConversionは「転換」という意味で、訪問者が顧客に転換したということを表します。
コンバージョンは「Webサイトの成果」だといえます。ただ「コンバージョンを上げる」とだけ言うと漠然としていますが、「Webサイトの成果を上げる」という視点で整理していきましょう。
コンバージョンを構成する要素を整理する
コンバージョンはいくつかの要素に分解できます。最終的なコンバージョン成果にかかわってくる要素としては、例えばECサイトの場合、Webサイトの訪問者数、コンバージョンに至るCVR(コンバージョン率)、1回のコンバージョン単価、リピート率などが代表的なものとして挙げられます。
「コンバージョンを上げる」というと、広告やSEO、CVR改善といった個別の手法に目が行きがちですが、まずは自社のコンバージョンがどのような要素で成り立っているのかを整理してみましょう。
流入数
Webサイトの流入数は、コンバージョンを構成する要素のひとつです。より多くのユーザーがWebサイトに訪れて母数が増えれば、コンバージョン数のアップが期待できます。実店舗にたとえるなら「たくさんのお客様が来店する」ということと同義です。
流入数を増やすには、広告やSEOなどの集客施策があります。「今月の売り上げ目標を達成するために、広告を打って集客する」というのはイメージしやすく、わかりやすい施策でしょう。
流入数は一般的にセッション数で計測されます。セッションとは「1回の訪問」を表す単位で、Google アナリティクスの場合は標準で30分が1回の訪問の切れ目と定義されています。しかし新しいGoogle アナリティクス 4(GA4)ではセッション軸からユーザー軸へと計測の考え方が変わることから、今後流入数はセッション数ではなく、来訪ユーザー数のことを指すように変わっていくと考えられます。
CVR(コンバージョン率)
「コンバージョン改善」といって真っ先に考える要素がCVR(コンバージョン率)でしょう。CVRは「一定期間の訪問数の中で、何人がコンバージョンに到達したか」の割合を表す指標です。
せっかく訪問してくれたにもかかわらず、何もせずに離脱すると、集客にかけたコストが無駄になってしまいます。実店舗にたとえるなら、1日に100人のお客様が来店して5件の売り上げがある場合、商品の陳列やPOP、店員の接客などを工夫することで10件に上げることができれば、単純計算で売り上げは2倍になります。CVRの改善には、Webサイト内の使いやすさや接客がかかわってきます。
CVRについて詳しくは以下の記事を参照してください。
コンバージョン単価
コンバージョン単価も、コンバージョン成果を見る上で欠かせない要素です。コンバージョン単価は、コンバージョンが発生した場合の売り上げとなる単価を指します。コンバージョンは一般的に金額ではなく件数でカウントされるので、売り上げの成果を測るときは、平均購買単価と掛け合わせて計算します。
コンバージョン件数が同じでも、単価が上がれば当然最終的な売り上げ成果もアップします。コンバージョンの件数だけを追っていると意外と見落としがちですが、コンバージョンの単価、つまり「中身」も成果にかかわる要素です。
リピート率
最後の要素はリピート率です。リピート率は、1回コンバージョンしてくれたユーザーが、再度コンバージョンしてくれる率を表す指標です。商材やWebサイトによりリピートする頻度や期間は異なりますが、リピート率を高めることで長期的な成果を積み上げていくことができます。
「1人のユーザーが将来的にどのくらい購入してくれるのか」という見方をする指標にLTV(ライフタイムバリュー)があります。リピートしてくれるかどうかは、初回のコンバージョン体験が満足いくものだったか、その後のアフターフォローがあるかといった接客・追客の要素が関係してきます。
コンバージョンを上げる4つの方法
Webサイトの成果は、それぞれの要素がかけ合わさって生み出されます。単にコンバージョン数のみを上げるのであれば、大規模な割引セールを行ったり、多額の広告費を投入すればコンバージョン件数の増加が見込めるでしょう。
しかし、ふたを開けて見たら購入単価が低く、将来的にリピーターとなってくれる見込みも少ないようであれば「Webサイト全体の成果を上げる」という視点では成功とはいえません。
Webサイト全体の成果を上げるためには、各要素のバランスも重要です。ここからは、4つの要素をそれぞれ改善するための具体的な方法をご紹介します。
流入数を増やす
そもそもWebサイトの流入数がないとコンバージョンは発生しませんから、おおもととなる流入を増やすことは大切です。
Google アナリティクスなどのアクセス解析ツールでは「チャネル」や「流入元」でWebサイトの流入状況を確認できます。代表的な流入経路は、次の5つです。
- 検索(自然検索・オーガニック検索)
- 広告
- SNS
- リファラル(他サイトからのリンク)
- 直接流入(URLの入力やブックマークなど)
ほかにも、メールマガジンを配信しているならメールも主要な流入元となります。検索からの流入を増やしたいのであればSEO(検索エンジン最適化)、広告からの流入を増やしたければリスティング広告やディスプレイ広告、マス広告、SNS広告などの手段が考えられます。
注意したいのは、手法ごとに流入数の増え方が異なることです。例えばSEOは取り組んでから数字に表れるまで時間が必要で、半年から数年かけて少しずつ流入を積み上げていきます。「今すぐに流入を増やしたい」というのであれば、費用はかかりますが広告のほうが合っています。
どのくらいの流入数が必要かは、この後解説するCVRとの兼ね合いになります。これ以上流入数を増やせないのであればCVRを高めることに注力し、逆にCVRの改善が思うようにいかないのであれば流入数を増やすしかありません。
Web集客については、次の記事で詳しく解説しています。
コンバージョン率(CVR)を上げる
CVRを高めることは、Webサイト改善のうち最も重要な目的のひとつです。一般的に「コンバージョンを上げる」と言った場合、CVRの改善を指すことが多いでしょう。CVRはWebサイトの改善やちょっとした工夫の積み重ねで数字が変わってきますので、Web担当者やマーケターの腕の見せどころともいえます。
Webサイトを訪問したのにコンバージョンせずに離脱したユーザーには、何か理由があるはずです。そもそも購入する気がなかったのであれば仕方ありませんが、興味はあったにもかかわらず目的を果たせなかったのであれば、それは改善すべきポイントです。
例えば「サイト内で迷ってしまった」「目的の商品を探せなかった」「送料や配送についての疑問が解消できなかった」「説明が多く読むのに疲れた」「エラーが出てフォーム入力を完了できなかった」など、離脱にはさまざまな原因が考えられます。これらの「引っかかり」をWebサイトの「フリクション」と呼びます。
CVRを上げるには、Webサイトの構造やデザイン、コンテンツの内容、CTA(行動喚起)パーツの内容、フォームの最適化などさまざまな手段があります。
コンバージョンとする指標の定め方、コンバージョン最適化のポイントをまとめた資料を公開中です。そちらもぜひご参照ください。
コンバージョン単価を上げる
コンバージョン数は「流入数 × CVR」で導かれますが、1つひとつのコンバージョン単価を上げるのもWebサイトの成果につながります。コンバージョン単価を上げるための施策には「クロスセル(あわせ買い)」と「アップセル(上位の商品・プランへのアップグレード)」があります。
クロスセルの実例としては、AmazonなどのECプラットフォームで表示される関連商品やおすすめ商品などのレコメンドがわかりやすいでしょう。アップセルは、サブスクリプションサービスであれば上位プランのメリットを伝えて、アップグレードを提案するといった施策が相当します。
どちらも押し売りではユーザーに受け入れられず嫌われてしまいますので、ユーザーの心理を考えながら、メリットを納得して選択してもらえるような提案が必要です。クロスセルやアップセルについては以下の記事で詳しく紹介しています。
リピート購入率を上げる
最後はリピート率の向上です。マーケティングでよく聞く言葉に「1:5の法則」というものがあり、これは「新規顧客の獲得は、既存顧客にリピート購入を促すよりも5倍のコストがかかる」ということを表しています。
コンバージョンを発生させるために、毎回新規ユーザーを広告で集め続けるのは現実的ではありません。一度コンバージョンしてくれたのであれば、ユーザーにリピーターとなってもらうことで、将来的なコンバージョンを安定して底上げできます。最初のコンバージョンに満足してもらえているのなら、2回目以降はより多くの商品を購入したり、購入金額も1回目より上がるかもしれません。
リピート率の向上は簡単ではありませんが、自社やブランドのファンになってもらう、会員登録をしてもらいコミュニケーションを取れる手段を作る、ポイントや会員ランクなど継続して利用するメリットを用意するといった手段があります。
また「1回目のコンバージョンの体験が良い」ことも大前提です。体験が悪いと、リピーターにはなってもらえません。ここでもWebサイトの使いやすさや気の利いた提案など、サイト内の接客が重要になってきます。
LTV向上については以下の記事で詳しく紹介しています。
コンバージョンアップに効果を発揮するWeb接客
Sprocketは、ポップアップ型のWeb接客を提供するCROプラットフォームです。システムの都合で簡単にWebサイトに手を加えられない場合でも、ポップアップであれば、かゆいところに手が届くきめ細やかな接客やサポートが可能です。
Web接客ツールには、大きくポップアップ型とチャット型の2種類がありますが、ポップアップ型はタイミングを見計らってこちらから声かけできるという利点があります。
Sprocketでコンバージョンを改善した事例をいくつかご紹介します。「導入事例」でさまざまな業界の事例をご紹介していますので、そちらもご覧ください。
新規ユーザーのCVRが約10倍に
女性向けのランジェリーの企画・製造・販売を行うインティメイツ株式会社様では、「新規ユーザーのCVR改善」という大きな課題がありました。SprocketのコンサルタントがECサイトの現状分析やユーザーの行動分析を行った結果、新作ページや商品詳細ページだけでなく、「ブランド理念やコラムページにアクセスした方の購入率・再訪率が高い」という傾向が明らかになりました。
そこで、商品詳細ページに直接誘導するのではなく、ブランドの理念や商品の選び方など「商品詳細ページを見たくなるようなコンテンツ」を結集したページを用意したところ、そのページを経由したユーザーと経由していないユーザーを比べるとCVRが約10倍にアップしました。Sprocketのシナリオで成果を検証した後に、チュートリアルページを常設してトップページに設置する改善を行いました
アプリダウンロード率が約3倍に
「CLUB Panasonic」は、パナソニック株式会社様が運営する会員向けサイトです。お客様にお役立ち情報を届けるために、アプリのダウンロードを促進したいという課題がありました。
パナソニック様が持つCDPのデータとSprocketを連携することで、アプリをまだダウンロードしていないユーザーセグメントに向けて最適化した案内をポップアップで実施したところ、アプリのダウンロード率が約3倍に向上しました。
Sprocketは、Sprocket自身が計測する行動データ以外にもさまざまなツールとデータを連携することが可能です。データを連携することでよりユーザーの状況や心理を深く分析し、最適な接客シナリオを実施できます。
Sprocketでは、消費者1,000人を対象としたアンケート調査の結果から、Webサイトの顧客体験を向上するオンライン接客についてまとめた資料を公開しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。
個々の数値にまどわされずWebサイト全体の成果向上を目指そう
コンバージョンはWebサイトの成果のことを表し、広告施策やCVR改善は、成果を上げるという大きな目標を達成するための手段のひとつです。広告担当やSEO担当、Webサイト担当、メルマガ担当など担当者が分かれているケースも多くありますが、それぞれの数字は密接な関係があります。
担当が分かれていても、各施策の対象となるのは同じ1人のユーザーです。「そのサイトでどのような良い体験を得られたか」という点で、Webサイトにおける接客は重要な要素を占めています。
Sprocketはツールの導入・運用だけでなく、担当コンサルタントが仮説の立案から施策の実施、効果の検証まで代行し、導入企業様のユーザー心理に寄り添った本質的なコンバージョン改善に取り組みます。社内にリソースや知見が足りない場合でもご安心ください。
WebサイトのCVR向上だけでなく、購入単価やリピート率など総合的なコンバージョン改善をお考えの方は、Sprocketにぜひご相談ください。
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