ユーザーの視点からサービスの提供価値を考えるワークショップを行いました(価値マップ1回目)
今回の記事は、事例記事のインタビューデータを用いた価値マップの作成を通じて、お客さまがどのような体験をされて、どのような気持ちでいるのか、その全体像を視覚化して把握してみようというワークショップをチーム横断で行いましたので、その活動を記載します。
IAの上野裕樹です。
先月、UXチームを立ち上げました!
このチームは、お客さまのニーズを調査分析して、Web接客ツール「Sprocket」の管理画面を使いやすくしたり、提供するサービス改善活動などを行う予定です。
KA法とは:
ユーザー調査で得られたインタビューデータなどの定性情報から、ユーザーが求めている本質的な価値の全体像を把握する分析手法
価値マップとは:
インタビューデータから「出来事」「心の声」「背景にある価値」を一つのデータにしたものをKAカードといい、このKAカードの価値部分に着目してグルーピング・構造化し、体験価値の全体像を視覚化したものを価値マップといいます。
ワークショップレポート
タイムテーブル
[13:00~] ワークショップの内容説明
[13:20~] 出来事から、KAカードを作る
[14:00~] 価値マップ作成開始(15:15~16:00休憩)
[16:30~] 完成、ディスカッション
[17:00~] 片付けと省察
ワークショップ開催前の準備
KA法は、計画、リクルーティング、インタビュー、KAカード、構造化、分析、などのプロセスがあります。
ワークショップは時間が限られているため、UXチームにて事前にKAカードを作り、参加者には一部残したインタビューデータからのKAカード作成から始めることにしました。
ワークショップの環境にもこだわりました。
- お菓子を用意する(←大事)
- うすく音楽を流す
- オープンな場所で作業をする(Sprocketの場合、カフェスペースで、ふらっと来た人にも見てもらえるようにしました)
[13:00~] ワークショップの内容説明
最初に、事前に作っておいたお手本となる価値マップを用いて、手法の完成形のイメージ作りと手順の説明をしました。
実際に、これから作るものがあると、ワークショップ内で「何のためにやるのか」「何をこれからやればよいのか」が想像しやすかったようです。
[13:20~] 出来事から、KAカードを作る
ワークショップ参加者に、データの出来事からKAカードを作ってもらいました。
KAカードには下記の3項目を記述していきます。
「出来事」:そこで起こった事実を書きます。
「心の声」:その出来事に対して当事者が思ったことを書きます。
(『~よねぇ』とか『~だなぁ』などの表現にすると、いかにも心の声らしくなります。)
「価値」:「~をする価値」「~をえられる価値」とその出来事の本質的な価値を書きます。
この価値部分は少しコツが必要なため、初めて取り組むメンバーは慣れるまで戸惑っていましたが、参加者5人で50枚ほどのKAカードを書けました。(かなり早い!)
[14:00~] 価値マップ作成開始(15:15~16:00休憩)
印刷した約300個のKAカードを、貼って剥がせるのりで模造紙に貼っていきました。
「こんなこともあるんだなぁ」と考えながら、この段階ではなんとなく近いものをまとめていきます。
まとまってきたものが、「どんな“まとまり”なのか」を仮に付箋で名前をつけていきます。
今回の参加者は非常にチームワークがよく、作業はどんどん進んでいきました。
“まとまり”がある程度できてきたら、それを1つのグループとして扱い、“まとまり”の関係性や流れを考えていきます。
この、関係性や流れを捉えていくにあたり、1つのKAカードから「やっぱりこういうことなんじゃないか?」という発見があることがあります。作業に手戻りが発生することになりますが、勇気を持ってもう一度考え直すことはとても大事です。
今回の参加者は、こういった気づきに真剣に向き合っていたのが印象的でした。
関係性が見えてきたら、実際に模造紙に線や矢印などを描いていき、その全体像を視覚化した価値マップを完成させていきます。
[16:30~] 完成、ディスカッション
できた価値マップをみながら、「何が特徴的なのか」「分からなかったことは何か」「新しく分かったことは何か」などを話し合いました。
また、今回の分析によって、自社で取り入れるべき視点や、これから取り組むべきことが何なのか、自然にディスカッションの流れになりました。
[17:00~] 片付けと省察
片付けや雑談タイムのあと、参加者に感想を聞きました。
「のりづけをもっと上手くした方がいい」などの具体的な改善点から、「なんでこういうことが起きたんだろうね」といった疑問提起があり、次回に向けた課題の発見を得られました。
当日の参加者のコメント(一部)
開催者として、とても気持ちのよい感想をいただきました!
- (デザイン勉強会という名前でアナウンスがあったので)わりともっとデザイン(色とか形とか)寄りの話なのかなと印象をもっていた。
- クライアントがどういう評価しているのか、ということが視覚的にわかった。
- 見てる視点が違った。どのように自分たちが戦うべきなのかが見えてきた。
- 自分たちのバイアスが排除しやすく、客観視した分析ができてよかった。
- 意外とあっという間。でも、焦ることもなく、途中でだれることもなかった。
最後に
お客様のことを深く知るこのようなワークショップなどを通じて、お客様にとってより価値のあるサービスにしていければと思っております。
不定期となりますが、ワークショップを開催しましたら、またその内容を公開していこうと思います。
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